売り上げ10倍!”家具業界の隠れトレンド”メラミンテーブルのメリットデメリットをプロに聞いてみた【前編】

売り上げ10倍!”家具業界の隠れトレンド”メラミンテーブルのメリットデメリットをプロに聞いてみた【前編】

2024/02/01

SEKI MAG / 主婦的研究 暮らしで生きる家具

どうすればライフスタイルに合う家具選びが実現できるのか?それは、家具の機能と存在を、自分達の暮らしのニーズと掛け合わせて分析する必要があります。 暮らす実験室というシェアハウスを営み、拡大家族を実践する市原しほさんから、家具のプロフェッショナルにぐいぐいインタビューした思考実験のシリーズです。


家具の中でも一際、お部屋の印象への影響が大きいテーブル。
生活の舞台となるものなので見た目だけではなく、使用感、サイズ選びも重要です。今回は、関家具がサイズオーダーできるテーブルを販売スタートしたということで担当の高山さんにインタビューさせてもらいました。

しかも、そのテーブルの天板素材はメラミンだそう。テーブルで、オーダーで、メラミン!?一般主婦である私にはこの時点で頭にはハテナが並びました。なぜ家具大手の関家具さんが、わざわざ新サイトの目玉的新商品に、メラミン素材を選ぶのか?メラミンテーブルの魅力やおすすめの利用シーン、欠点はないのか?など、一般家庭のユーザー視点で知りたいことを根掘り葉掘り聞いてみました。

メラミンテーブルとは?

なぜ家具大手がメラミン素材を選んだのか

今回の話題の中心である、サイズオーダーできるテーブルCATARINA(カタリナ)。まずはなぜ天板にメラミンという素材を選んだのかを聞いてみましょう。


市原:今日はありがとうございます!さっそく、一番の疑問について聞かせてください。どうして、サイズオーダーテーブルの天板にわざわざメラミン素材を選んだのでしょうか?家具をオーダーをする人って、おしゃれでこだわり強そうじゃないですか。そういう人たちは、天然の無垢素材とかを選ぶようなイメージがあります。

高山:市原さんは、メラミンへのイメージが悪いみたいですねぇ(笑)

市原:悪いというより、家具にメラミン素材が使われているイメージがなかったんです!メラミンと言えば、割れにくい食器のイメージで。ガラスの代用品…ちょっと安っぽい印象もあります。多分、私みたいな一般的庶民はメラミンにそういうイメージを持っているかと。

高山:はぁ〜!いや〜!そうなんですねぇ〜!!逆に驚きです(笑)売り場ではすごく人気があるので、定着してきているんだと思っていました。

市原:そうなんですか?

高山:はい。コロナ渦に入ってから伸びましたね。これまでも、オフィスや商業施設でのメラミン素材のニーズは高かったのですが、ここ3年で一般家庭向けの売り場でも、ECサイトでも爆発的に伸びましたね。今のトレンドだとも言えます。実際、当社でも2018年に比べて2019年以降はメラミン家具の展開も10倍以上になっています。

市原:10倍ですか!?家具にメラミンが使われていることさえ知らなかったのに。

高山:売り場にメラミンテーブルがあっても、近づいて触ってみないと木にしか見えないくらい、メラミンの木目の表現力が上がっていますからね。それに、木でない素材としか認識されていなかったりするので、メラミンという名前が上がってこないのかもしれませんね。

市原:確かに。木じゃない、プラスチックみたいな素材の家具がよくあることは知っていました。

高山:その木じゃない素材(笑)の中で、私たちが今推しているのがメラミンなんですよ。

メラミンテーブルを見てみると…クオリティ、高い!

市原:そもそもメラミンってどんな素材なんですか?

高山:実際に、テーブルを見てもらいましょうか。

市原:わ。確かに。これ、木じゃないんですか?

高山:驚きますよね。メラミン自体のクオリティがめちゃくちゃ上がっているんです。メラミンテーブルは、見た目が安っぽいという評価がそぐわなくなっていますね。

市原:本当に。触ってみると…。確かに滑らかだし、木じゃないとわかるけど。特に、ウォルナット。見た目は…もう、木ですね(笑)マットなニスを塗った木にしか見えません。

高山:いや〜。うれしいですね。驚いてもらえて。メラミン、すごいですよね。

市原:こっちの、天板がライトグレーのテーブルもかわいいですよね。

高山:縁は天然木を使っています。

市原:めちゃくちゃおしゃれじゃないですかー!!アイアンの脚もいい感じでマッチしています。

高山:ですよね(笑)最近の素材と思われがちですが、ヨーロッパの1950年代のヴィンテージ家具でもメラミン素材がおしゃれに使われていたりします。メラミン天板と天然木の組み合わせ、モダンな雰囲気を醸し出しますよね。

メラミンとは熱を加えると硬くなる、プラスチックの一種


市原:えー。おもしろい。メラミン、なんなんですか!?(笑)

高山:正確に言うならば、私たちがこのテーブルの天板に使っているのは、メラミン化粧板です。化粧板の表面に、メラミン樹脂を高圧でコーティングしています。メラミン樹脂は、合成樹脂…つまりプラスチックの一種なのですが、熱を加えると硬くなるという性質を持っていて、通常のプラスチックとは質感も違い、とても丈夫です。

市原:確かに。うちの母も、私が子どもの時に「これなら割れにくいでしょ」とメラミン食器を買ってきてくれました。質感もプラスチックというよりも、ガラス寄りだったな〜。

 


メラミンテーブル、人気の3つの理由

市原:メラミンが、家具の素材としての人気を増しているのはやはりこの見た目が理由なのでしょうか?

高山:まずは、メラミン素材の見た目を含むクオリティが上がっているということがありますね。でも、それ以外にもメラミンの持つ機能が、時代に求められているということが大きいでしょう。特に、市原さんのようなお子様のいるご家庭に広く支持されているんですよ。

 

メンテナンスしやすいメラミンテーブル。

熱に強く傷つきにくい

市原:メラミンってどんな特徴があるんでしょう?

高山:まず、一番の特徴はメンテナンスしやすいことですね。木との大きな違いは、熱に強い!メラミンの強度的には熱々に加熱した鍋もいける。

市原:いけるっていうのは、鍋をテーブルに直置きできるってことですか?

高山:はい。180度まで加熱したものは置けます。

市原:すごい。うちは天然の一枚板にオイルを塗っただけ無垢材テーブルなんですが、熱いお茶を置いただけでコップ跡がついちゃいます。もう諦めてますけど。

高山:しかも、表面が硬いので、傷もつきにくい。普通にテーブルで子どもが工作をしてカッターやハサミを使う分にはまず傷つかないでしょう。大人が本気で力を込めてカッターで傷つけたら、少しは跡ができるかもしれませんが…。

市原:それは、悪意がありすぎですね(笑)よく天然木のテーブルが傷つかないようにビニールシートを被せたりしてるじゃないですか。メラミンなら元々強いので、ガードする必要もないってことですね!それはいいな〜。 うちには3人の子どもがいるんですが、どうやったら私自身が怒らなくて済む環境を作るかをよく考えるんです。傷つきやすいものを子どもに与えれば「それ、壊れちゃうよ!こう使って!」と言いたくなって当たり前じゃないですか。強いものを用意しておけば「うんうん」と笑顔で見守れるな〜と。 子どもがいる日々の生活の舞台として強いメラミンを選択するのは、親にリラックスできる時間をくれるかもしれませんね〜。

高山:そうですね。子育て世代には特にこの魅力は際立ちますね。でも、夫婦間やカップルでも、同じことだと思います。どう使うか、どう使いたいかは、個人間でギャップがあり、「そうやって使ったら、傷つくでしょ」とどちらかがイライラするということはよくあることです。丈夫な素材を選択することで、苛立ちにつながる機会を、あらかじめ取り除けるということはあるでしょうね。

市原:素材が、共同生活をスムーズにするってことも、あるんですね〜。

 

汚れが付きにくく衛生的なメラミンテーブル。

コロナ禍で人気に


高山:2つ目の人気の理由は、衛生的だということですね。これがコロナ禍でメラミン家具の売り上げが伸びた理由だと思います。天然木のように吸水性もないですし、表面に凹凸がなくフラットなので、汚れが付きにくいんです。

市原:確かにー。それはいいですね。うちは子どもが3人いるんですが、よく一緒に料理をしたがるんです。キッチンだと狭いのでテーブルに料理道具を持って行って作業するんですが、まぁ汚れる。困るのは粉物ですよね。木目に入ってしまうと取れにくいですから。 メラミンテーブルなら、アルコール消毒した天板で直接パンをこねたりもできるんじゃないですか?

高山:そんな風に使っているという声はいただきますね。ただ、メラミン素材のメーカーによると、アルコール消毒でメラミンが変色する可能性はあるとのことなので、公式におすすめできる使い方ではないのですが。でもこれまでもメラニン素材の家具を日々消毒し続けていますが、変色は見られなかったので、日常で使う分には問題ないと思います。

市原:それは使い方が広がりますね。コロナ禍で伸びたのも頷けます。

 

 

リーズナブルなメラミンテーブル

木製に比べて3〜4割は安い

高山:3つ目の人気の理由は、値段でしょう。メラミンの質にもよりますが、木製天板に比べて3割〜4割は安いでしょうね。

市原:メンテナンスしやすくて、衛生的で、リーズナブル。メラミンテーブル、やるじゃないですか〜。

  



メラミンテーブルにデメリットは?買って後悔の声は?

市原:メラミンのいいところばかり聞いていますが、デメリットはないのでしょうか?買って後悔した、というようなメーカーだからこそ耳にするクレームなどありますか?

高山:いや〜。欠点は、やはり質感でしょうか。木に近く、質感が向上しているとはいえ、手触りとして木のような有機物感がないので。手から感じる温もりや、やわらかさを求める方は、本物の木を選択すべきでしょうね。 でも、お客様から使った上でのクレームや後悔の声は、ほんとに聞くことがないですね。 ただ、家具選びのサイトなどで、メラミンの欠点として挙げられていることはあります。経年劣化するという点、傷ついてしまった場合に、自分でメンテナンスできないという点が書かれていたりします。天然木ならば傷ついても、自分で削って、再度、ニスなりオイルなりでコーティングし直すことができます。

市原:素人はなかなか自分でそのメンテナンスをしないですよね。実際、メラミンは経年劣化するのでしょうか?

高山:メラミンはほとんど経年劣化しないというのが、家具メーカーで勤務している私の感覚ですね。また、メラミンのクオリティがちゃんとしていれば、傷ついた、割れたというケースと出会ったことがないです。

市原:見た目が気に入れば、メラミンはメリットが大きいってことですね!



ここまで、メラミンテーブルの見た目や機能性、人気の理由についてご紹介してきました。
お好みの質感やメンテナンス、生活シーンやヒトに合わせて、メラミンは多くの方々におすすめできるアイテムです。
特に子育て世代や共同生活をする方々にとってメラニンテーブルは、多くの魅力がありましたね。

記事の後半部分では、メラミンテーブル「CATARINA(カタリナ)」がどのように個々のライフスタイルに適応するのか、
サイズオーダーやテーブル選びのポイント、などなど…より詳しく掘り下げていきます!

 

後編につづく

 

インタビュアー/ライター:『暮らす実験室』市原史帆

シェアハウス「暮らす実験室 IKI」のお母さん役。神戸出身、横浜、北海道、東京、大阪と住んだのち、4年前に竹田市(大分)に家族で移住。みんなで田んぼやったり、DIYをしたり、心地よさを基準としたてづくりの暮らしを実験中。



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